注釈_1:ゾーンの半径

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フレネル・ゾーンプレートのパターンは、透明ゾーンと不透明ゾーンが交互に並んでいればよいので、中心の円が透明であっても不透明であっても差し支えありません。中心円が透明なゾーンプレートを正のゾーンプレート、不透明なものを負のゾーンプレートと呼びます。このゾーンの分け方は、半径を \(r\) とすると \(r^2\) が焦点に到達した光の波の位相に比例するので、\(r^2\) を波の半周期ごとに分けてその\(r^2\) に対応する \(r\) がゾーンの境界円になるようになっています。このように考えると、中心の円は必ずしも波の初期位相がゼロの点からスタートして設計計算を進める必要はないので、正のゾーンプレートと負のゾーンプレートの中間的なゾーンプレートも考えることができます。しかし、ここでの写真撮影にとって、このようなゾーンプレートを考える意味はあまりありませんから、以下、正負のゾーンプレート(特に正のゾーンプレート)についてだけ考えることにします。
 
中心から数えてm番目の透明ゾーンの外側の円の半径 \(r_m\) は次のように与えられます。なお、\(\lambda\)、\(f\) は光の波長と焦点距離です。
 
 正のゾーンプレート: \(r_m=\sqrt{(2m-1)\lambda f}\)
 負のゾーンプレート: \(r_m=\sqrt{2m \lambda f}\)
   
正のゾーンプレートの場合、\(m=1\)として得られる \(r_1=\sqrt{\lambda f}\) は中心の円で、焦点距離 \(f\) の場合について 簡易法で求めたピンホール半径に一致します。ピンホールの設計のところで記したようにピンホールを通った光について厳密に最適化すると、ピンホールの半径は \(a=\sqrt{0.61 \lambda f}=0.78\sqrt{\lambda f}\)となり、\(r_1\) と \(a\) は違う値になりますが、ゾーンプレートの場合はこのような形の条件は使っていないので差が出ます。ここで考えているような写真撮影に用いる場合にはこの違いは大差ありません。なお、ゾーンプレートのゾーンの数としては透明ゾーン数と不透明ゾーン数の和を指す事が多いのですが、透明ゾーン数を指す場合もあります。紛らわしいので、ここでは、全ゾーン数に関しては n,N を使い、透明ゾーン数を指す場合は m,M を使ってその旨明記いたします。