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ゾーンプレート写真を撮影する人の数は、まだ、それほど多くないので、ゾーンプレート写真を見る機会はあまり多くは無いと思われます。しかし、これらのあまり多くないゾーンプレート写真の特徴として、必ず上げられるのは「非常にソフトであるとともに被写体の周りにできるハローがとても美しい」と言うことです。「ゾーンプレート写真研究室」で説明してあるように、これらの写真がソフトである理由は「カスミ」であって、このカスミもハローも、ゾーンプレートからの0次回折光によるものだとわかります。ゾーンプレートによって撮影されている主要な像は像面に収束した1次回折光によるシャープな像です。これに対して0次回折光は、言わば、(この焦点距離にしては大きすぎる直径の)巨大ピンホールによってできた「ボケボケ像」なのです。この回折光によって、明るい主要被写体周りにはハローが出現しますが、全体的にはカスミとなって、ぼんやりした写真が撮れるのです。そこで、カスミを適度に取り除くと、被写体像はシャープになってハローのある美しいゾーンプレート写真が出来上がります。主要被写体からの光と背景光の明るさの違いなどで全く違った印象の写真が撮れるところも魅力の一つです。
この様な特徴がわかるゾーンプレート写真をいくつか下に示します。これらの写真はカスミをある程度取り除くための画像処理を行って有りますが、カスミが完全に取り除かれているわけではないのでゾーンプレート写真らしいソフトな感じが残っています。また、周囲に比べて明るい被写体のまわりには美しいハローが見られます。