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ゾーンプレートのパターン
既に書いたように、ゾーンプレートは、透明ゾーンの所から回折現象で光軸上の焦点に向かった光線が、焦点において強め合うように、ゾーンのパターンが決められています。通常、ゾーンの数は透明ゾーンと不透明ゾーンの数を合わせた数値を言いますが、場合によっては、透明ゾーンの数をゾーン数ということがあります。このサイトでは、原則として、透明ゾーン数と不透明ゾーン数を合わせてゾーン数と呼ぶことにします。しかし、場合によっては、透明ゾーンの数で表現した方が便利な時もありますので、透明ゾーンだけを数える時は、m=1,2,3,…M、透明ゾーンと不透明ゾーンを合わせて数える時は、n=1,2,3,…N とします。また、ゾーンのパターンを表すときには、「内側から数えてn番目の(透明ゾーンと不透明ゾーンの)境界円」と言いますが、「m番目の透明ゾーンの外側の境界円、内側の境界円」と行った方がわかりやすいこともあります(図1)。
図1 ゾーン数の数え方
ここでは、n, Nは全ゾーン数、m, M は透明なゾーン数を表します。
$$ r_n = \sqrt{n \lambda f} $$
ここで、\(\lambda\) は光の波長、f は焦点距離を表しています。普通、ゾーンプレート・パターンを設計する時、光の波長としては、可視光の波長領域の中央である緑色の光の波長 \(\lambda=550 nm\) を採用することが多いので、この値を使って上の式を書くと次のようになります。
$$r_n \cong 0.0235\sqrt{n f}$$ ここで、\(r_n\) と\(f\) は \(mm\) 単位で表してあります。
このような形で書くと、正のゾーンプレート(中心円が透明)でも負のゾーンプレート(中心円が不透明)でも同じですが、実際にゾーンプレートを作成するときには、透明ゾーンあるいは不透明ゾーンの外側と内側の円の半径がいくらであると指定されていた方がわかりやすいこともあります。中心から数えてm番目の透明ゾーンの外側境界の円の半径\(r_m\)は、正負のゾーンプレートに対して、それぞれ、次のように与えられます。
$$r_m = \sqrt{(2m-1)\lambda f} : m = \frac{n+1}{2}:: n:奇数 $$
$$r_m = \sqrt{2m \lambda f} : m = \frac{n}{2}:: n:偶数 $$